スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2016.08.08 Monday
  • -
  • -
  • 0

    帰れないヨッパライたちへ を読んだ。

    JUGEMテーマ:読書

    久しぶりに北山先生の本を読んだ。この本は「きたやまおさむ」名義で、表舞台に立つ時に先生が使う表記の方。

    基本的には今までの書籍と同じことを語ってるんだけれど、伝え方がどちらかと言うと一般人向け。割と分かりやすく北山先生の臨床観とか人生観が書かれていると思う。そして、あることを伝えようと思ったら、ずっと言い続けること、主張し続けることは大事なんだなぁと思わされる。

    最近すっかりと精神分析とか臨床心理学に触れることがなくなってしまって、もうこういった感覚とか技術とかは錆びついてしまってるんだろうと思う。ただ、1フレーズだけ、「あぁ、そうだったそうだった」と妙に腑に落ちた所があるのでご紹介。

    中立性とは中立であることを心がける努力の中にある
    -p.205

    右−左、上-下と揺れ動きながら、振れ幅を小さくしつつできるだけ真ん中にいようと心がけること。悪く言えばどっちつかずな感じが、精神分析のみならずカウンセリングを行う人には求められる、と自分は思ってる。


    いじめのリスクファクター

    JUGEMテーマ:心理学
    Bullying Hurts

    アメリカの厚労相にあたるU.S. Department of Health & Human Servicesいじめについてのページにいじめの加害と被害の危険因子について述べられていたので、ベーグルの生地を一次発酵している間に読むついでに訳してみたい(原文)。変なところはご指摘いただけると幸いです。

    "抑うつ的 depressed"、"不安げ anxious"、"自尊心が低い low self esteem"が「いじめる側」「いじめられる側」の両方の危険因子に入ってることが興味深い。教育心理の世界でも臨床心理の世界でもずっと言われているけれど、学童期~思春期・青年期のこの要因は何かのバランスを崩す原因になり得る。


    DMORT活動

    JUGEMテーマ:心理学

    「村上典子・吉永和正・大庭麻由子ら(2011): 災害急性期からの遺族支援ー遺体安置所でのDMORT活動からー, トラウマティック・ストレス 9(1), 81-85」

    東北地方太平洋沖地震の発生から3日が経った。救助活動や捜索活動が本格化するにつれて,亡くなった方が発見されることが多くなってくる。特にこの地震では,死者数が1万人以上になると予想されている。そうなるとその数を上回る遺族の方が,親族の死と向かい合わなくてはならないし,本人確認をする必要も出てくる。そしてなにより,このような災害ではご遺体の損壊が激しい場合もある。

    そのような中で,ご遺族がご遺体と対面する時から「死に対する心理的な援助」,すなわち「グリーフケア」を行おうという活動がある。それが災害時遺族・遺体対応派遣チーム(DMORT: Disater Mortuary Operational Resoponse Team)である。上記論文より概念図を引用する。

    災害時の遺族支援におけるDMORTの位置づけ

    DMORTとは,「米国におけるDMAT(Disaster Medical Assistance Team)の特殊チームとして災害直後から活動する専門家からなるボランティア組織のことである。参加する専門家は検死官,法医歯学者,DNA技術者,エンバーマー[註: 死体防腐処理者]精神科医,心理カウンセラー等で,遺体の身元確認や修復,遺族への連絡とグリーフケアを行っていると言われている(p.82)」([]内の註は加筆)。

    まだ日本では研究会レベルの活動ではあるが,着実に歩みを進めているようだ。DMORT研究会ではDMORTのあり方を模索していく中で,以下3つの役割が柱になるという考えに至っている。

    1. 現場DMORT: 災害現場での死亡者の家族への支援
    2. 長期の遺族支援: グリーフケアの専門家や長期支援組織とのネットワーク作り
    3. 啓発・研修活動: 黒タッグの扱いや急性期からのグリーフケアに関して

    グリーフケアについて,そしてその重要性については前々から知っていたけれども,正直,この論文を読むまでDMORTの存在を知らなかった。大規模な災害のみでなく,多くの死者が出る出来事は多くあると思う。DMATが少しずつ整備され,力を発揮してきているように,DMORTが災害発生とともに活動できるように整備されて行くと,ご遺族のこころの負担が軽減もしくは置いておくことができるような形にされ,それによって復興への力がより大きなものになるのではないかと思う。まずはこうやって何らかの形で取り上げて,知ってもらうという活動も必要かと思い,記事にしてみた。


    カウンセラーの無力感と精神分析的カウンセリングの根本的パラドクス

    治療論 その21.すべての人に共通すること 「理解」されることへの希求

    セラピストは時々、患者さんの前でこんな思いに駆られる。「私は治療者として何をやっているのだろう?」患者さんが話を聞いてほしいと訴えかけ、その話に共感することで時間が過ぎていき、患者さんが次回のセッションを待ち望むという状況では、この考えはあまり起きないものである。患者さんが最初は持っていた治療への期待や情熱を失ったとき、あるいは最初から受診に消極的だったり、治療時間中ずっと黙っていたり、ため息を疲れたりしたとき、その思いが治療者の中に浮かぶのだ。治療は海図のない航海に似ている。いきなり自分が何をすべきか、治療がどこに向かっているかがわからなくなってしまうことがあるのだ。 そのような時、治療者が患者さんの治療動機、ニーズを考えることは重要であると思う。「結局セッションにより何を期待しているのだろう?」もう少し端的にいうと、「セッション中の治療者とのかかわりの中で、何に、どこに心地よさを感じているのだろうか?」治療者患者関係は特に安からぬ料金が絡む場合には非常にドライなものになりかねない。患者側は、ニーズが満たされなければ、一回一万円近い料金を支払う気になれないとしても、それはもっともなことだ。セラピーの一セッションごとにこのニーズが満たされれば、治療は継続していくと考えていい。逆にそれが起きていないとき、治療者は大海原でとつぜん無風状態に遭遇した帆船のような状態になるわけだ。

    患者さんのニーズは実はさまざまである。とにかく一方的に吐き出すことを要求する人。セッション中ずっと目を見て言葉の一つ一つにうなずいてほしい人。あるいは患者さんの持ち込む質問に一つ一つ答えてほしい人。しかしその表面上のニーズとは別に、それらの根底にあるものとして、患者さんの「理解してもらう」ことの心地よさ、満足感がある、と考えるべきである。私がなぜそう考えるかといえば、これまでの経験上、患者さんの置かれた状況や、そのもつ精神疾患にかかわらず、「理解してもらう」ことが満足感を与えないということは思い出せないからだ。人が心を持つ、とはすなわち「理解される」事を望むことでもある。どんなに深刻な妄想に駆られていても、どれほど深刻な自閉症傾向を持とうとも、理解してもらえることが喜びや心地よさを生まないということは考えられない。

    もちろん患者さんが被害妄想に駆られている場合には、「理解される」ことは「知られる、暴かれる」という感情をも生み、恐ろしい体験ともなりうる。しかし「理解されることが恐ろしさをも生む」ということのその苦しさそのものを「理解される」ことは、実はその人にとって安心感を生むはずである。アスペルガー障害の患者さんで、人の気持ちをまったく理解することができなくても、あるいはいかに特異で奇妙な思考パターンや妄想を持ち、それが人には理解しがたいということについては関心を払わない人でも、それだからこそ「理解される」ことを渇望するというところがある。なぜなら彼らはおそらくその独特の思考や行動パターンのために、これまで誰からも理解されずにさびしい思いをし、孤独感を抱え続けてきた可能性が高いからだ。少し逆説的な言い方をすればこうである。

    「世の中でもっとも人から理解しがたい考えを持っている人こそ、人から理解してもらえることを強く希求しているということになるのだ。」

    -岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 2011年1月28日金曜日

    カウンセラーとして,クライアントが何をしにきているのか分からなくなる時。そして,自分自身はクライアントさんに何をしているんだろうと疑問に思う時。絶対にあると思う。特に精神分析的カウンセリングなんてカウンセラーに対して怒りを表出したり,不信感を表明したりするときに「治療的効果が出てきてる」とみなされる。もちろん,いろいろな派閥があって一概に層とも言えないけれど。そうすることに意味があるという共通認識が形成されていなければ,また,クライアントさんセラピストともに忍耐力がなければ,精神分析的精神療法やカウンセリングは遂行不可能だろう。認知行動療法みたいにある課題をもってそれをこなしていくとかいうときでも,クライアントさんと共通認識を持つまでが大変とされる。投薬だってコンプライアンスをいかに得るかが難しい。

    結局,セラピストがクライアントさんに「あなたを理解したいし,理解しようと努力しています」ということを言語的にも非言語的にも伝えて,疾患なりpersonalityなり家庭内の問題なりを一緒の方向から見ていこうとする,そういった物事を共同注視できる共通認識を築き上げられれば,治療は成功するのかも知れない。それが難しいんだけれども。

    JUGEMテーマ:心理学

    臨床心理士の資格がどーのこーの言ってるときに

    JUGEMテーマ:心理学

    最初の記事。

    強制わいせつ:市民病院職員、容疑で逮捕−−八戸署 /青森
     八戸署は7日、八戸市吹上3、市立市民病院の臨床心理士、田中清容疑者(50)を強制わいせつ容疑で逮捕した。容疑は8月1日午後3時と同5時ごろ、同市田向の市立市民病院の治療室で、女子高生に抱き付いてキスするなどしたとしている。容疑を認めているという。
     同署によると、女子高生から9月1日に被害届が出て捜査していた。
    ---毎日新聞 2010年9月8日 地方版(http://mainichi.jp/area/aomori/news/20100908ddlk02040133000c.html)

    そして続報。

    八戸の強制わいせつ:事件の把握後も診療続けさせる−−容疑の職員に市民病院 /青森
     八戸市民病院の臨床心理士の男が女子高校生に対する強制わいせつ容疑で逮捕された事件で、三浦一章院長らが8日、会見した。病院は陳謝し、事件を把握後も男に診療を続けさせていたことなどを明らかにした。
     病院によると、田中清容疑者(50)は第1精神神経科の臨床心理士長として患者約60人を担当していたほか、スクールカウンセラーを務めていた。病院は先月5日に生徒の家族からの相談で事件を把握。田中容疑者への聞き取りや謝罪をする一方、逮捕前日の今月6日まで診療させていた。病院側は「人員問題など、やむを得ない状況だった」と釈明した。
     また、田中容疑者が日曜日に病院内で被害者と会った点について、「被害者は患者だったが、この日は正規の診療ではなかった」と説明した。【三股智子】
    ---毎日新聞 2010年9月9日 地方版(http://mainichi.jp/area/aomori/news/20100909ddlk02040176000c.html)

    なんだかなー…という出来事。この事件,言わずもがなかも知れないが,問題視すべきところは2点ある。1つは臨床心理士という身分の者が「患者」にわいせつ行為をはたらいたということ。しかも「強制」。もう2点目はこの事実を知っておきながら,現場に立たせた病院側の責任者である。

    1点目については,臨床心理士という「密室」でのやり取りを行える立場の者としてあるまじき行為である。こんなことをしてしまう輩が出てくると,患者さんからの信頼はもちろん,臨床心理士が働く先の信頼も失ってしまう。もうここまで来たら,「せめて『強制』じゃないわいせつにしなさいよ。こころを扱う心理士でしょ?」とでも言いたくなる。

    2点目は医療界ではよくあることの様な気がする。悪いことがばれてからもしばらく働くこと。これに関しては「否」の意見が多いだろうが,賛否両論かも知れない。病院かクリニックか,何科か,どのような職種かによって異なると思うが,引継をしないといけない場合も存在すると思う。しかし,「強制わいせつ」の様に倫理的な過ちを犯した者を1ヵ月間見て見ぬ振りで働かせ続けるのはいかがなものか。「人員問題など」ということを理由に挙げているが,この容疑者の患者さんに事情を説明して,謝罪して,待っていただくのが筋じゃないだろうか。ましてや心理士なのだから,急性期の患者さんと関わっているとは考えにくい。それが可能だと思う。BPDの患者さんとか重度の気分障害や双極性障害の患者さんに対してはある程度配慮が必要かも知れないが。

    今回の臨床心理士が臨床心理士会の認定した臨床心理士であるならば,臨床心理士会がどのような処分を下すのか,そしてどのように再発防止を掲げていくのかが,今後の資格問題の話で大切になってくるんじゃないかと思う。

    続きを読む >>

    | 1/3PAGES | >>

    Amazon

    calendar

    S M T W T F S
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
    << August 2017 >>

    Recomend

    Search

     

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    recent trackback

    recommend

    recommend

    精神分析を語る
    精神分析を語る (JUGEMレビュー »)
    藤山 直樹,松木 邦裕,細澤 仁

    recommend

    recommend

    recommend

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    PR

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM