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  • 2016.08.08 Monday
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    医師不足についてwiki先生を見てみる

    JUGEMテーマ:医療崩壊

    医師不足についてのツイートで思ったことがあったのでちょっと書いてみる。あんまりまとまりないのでご了承を。まずそのツイートを。

    これに対して自分はこういうコメントとともにRT。

    医師が不足している!遍在している!って言われて久しいけど,どうなんだろうなー,解決策はあるのかなーと思ってwikiが全面的に正しくまとまってると信じて考えてみる。wikiは「医師不足」の2013年1月20日 (日) 17:49‎の版を参照した。「医師不足」っていう項目がある事自体に驚き。wikiに載ってること,元ソース,自分の意見をできるだけ分けて書こうと思うけれど,論文ではないのでそこまで厳密にはしないです。

    まず,医師数の現状をみてみる(Fig-1; 平成22年度我が国の保健統計より)。平成20年12月31日の全国の届出医師数は28万6699人,人口10万人あたり224.5人となっている。Fig-1にも記述されているように医師数は増えているらしい。でもでも,医師免許を持っている人の数がこれだけなのであって,実際には臨床医として働いていない基礎研究を行なっているような人,高齢で引退した人,家庭に入った人なんかも数に入っている。あと,亡くなったけど免許を返納していない人もカウントされているらしい。
    これに関してはずっと前から思ってるし事あるごとに言ってるけど,まずは現状把握をきちんとすることが大切なんじゃないかな。いくら原因解決にお金をかけても成果が分からないんじゃ改善のしようがない。Plan Do Check ActのActが全くできなくなる。ってかそもそもPlanの目標が立てられない気がする。費用はとてつもなくかかるかもしれないけど,一度国勢調査みたいな全数調査を全国の医療機関にしてみてもいいんじゃないかな。病院・診療所については届出制だから把握されてるし。非常勤と常勤の先生をどうカウントするかが難しいけど。いっそのこと医籍登録されている人が実際に誰がどこで働いてるかまで把握してもいいのかもしれない。ねんきん特別便みたいな感じで。一度それぐらいがっつり把握しないと現状がちゃんと認識されないんじゃないかな。

    つぎに本題。wikiには医師不足の原因が8つの視点からまとめられている。

    • 医師の絶対数の不足
    • 病院での必要医師数の不足
    • 地域偏在による不足
    • 診療科に属する医師の需給不均衡による不足
    • 給与レベルに属する医師の偏在による不足
    • 外来患者数に対する医師不足
    • 業務量増大による医師不足
    • 集約化不足による医師不足

    【医師の絶対数の不足】
    29万人の医師の内,65歳で引退と仮定すると21万人らしい。これは「OECD諸国で68位の韓国(これとは別に韓医者がいる。)や69位のクウェート(人口が都市集中で国土の9割以上が人口希薄地帯なので医師が都市集中で地方不在でも問題ない、また隣国のサウジアラビアに医療を受けに行くという選択肢がある。)と同水準になってしまう」とのこと。そして,「よく、医師数自体は増えているといわれるが、長年に続く医学部定員抑制の結果、微増してるのは44歳以上の医師と、医師免許をもってるだけで医療行為はしていない退職した元医者であり、若手の医師はまったく増えていないのが現状である」だそうで。最近医学部の定員が増えたり,医学部新設の動きがあったりするけれど,医学生を増やす効果は早くて8年後にしか出ない。この絶対数不足についてはかなりの長期スパンで見ないといけない。そして,大学に対する予算の減少とかの影響で定員を増やしても設備がしっかり整わない大学なんかもちらほら。うちの大学も講義室がパンパン。全員出席すると全部詰めて座らないといけなかったり。実際ちゃんと授業を受けようと思うと講義室の机と椅子の幅で1席分では到底ムリ。人員を増やすのであれば最低限ハードを充実させてほしい。

    【病院での必要医師数の不足】
    この項目では医局制度崩壊→大学病院の人手不足→派遣先の病院から撤退→小規模の民間病院の人手不足という流れと,都心の症例豊富な病院で初期研修→地方大学に戻らない→地方の地域病院で人手不足という流れの2つが挙げられている。医局は悪い!ということで解体されたけれど,これは大失敗だと個人的には思ってる。利権があってそれで地方の病院に人手が配分されていたのに,それを奪って解体して,その利権に当たる部分を他の形で補償しなかったらそりゃ(言い方は悪いけど)地方の地域の症例数・病床数・指導医数が少ない人気のない病院で働く人は減るでしょう。医師は聖人ではない。医師にも自分の生活とか人生があるわけで,ボランティア精神だけで出来てるわけではない。「志」とか「奉仕」という言葉だけでは人は生きていけない。これに関してはやはり病院の計画的な集約化が必要なんだと思う。

    【地域偏在による不足】 都道府県別にみた医療施設に従事する人口10万対医師数は最低の埼玉と最高の京都で140人ほど違う(Fig-2; 平成22年度我が国の保健統計より)。これは隣接している都道府県の状況とかに寄るので一概にどうとは言えない。もっとミクロな視点,都会と僻地というような比較でみてみると,「僻地と呼ばれる病院に自主的に勤務するインセンティブはなく、結果として、地域偏在による医師の不足が顕在化し始めている」というのが現状だと思う。病院での必要医師数の不足の所でも述べたけれども,「都会の病院や地方の大病院、有名病院の方が症例数も多く、新たな技術を常に学ぶことができるなど自らのキャリア形成につながることから、やり甲斐があると思う医師が多い。居住する地域の利便性、子どもの教育環境を考え、都会の病院を選択することもある。また僻地の勤務状況によっては、ほぼ24時間365日の拘束をされる勤務を要求する病院もあり、「体が持たない」と、辞めるケースもみられるようになっている」というのが現状。やはり,何らかのインセンティブ,有利な点を作って都会での有名病院での勤務と地方や僻地での勤務とが天秤にかけられるような状況にしないと根本的に解決はしないと思う。そのインセンティブには給与はもちろんだけれど,衣食住の充実とか地域性とか人として魅力がある必要がある。

    【診療科に属する医師の需給不均衡による不足】
    「内科、外科、小児科、産科、救急は過酷な勤務状態にあり、転科したり、そもそも志望する医学生が減ってきている」だそうな。今日本で標榜できる診療科としては以下のようなものがある。

    • 内科
    • 外科
    • 精神科
    • アレルギー科
    • リウマチ科
    • 小児科
    • 皮膚科
    • 泌尿器科
    • 産婦人科(産科、婦人科)
    • 眼科
    • 耳鼻いんこう科
    • リハビリテーション科
    • 放射線科(放射線診断科、放射線治療科)
    • 病理診断科
    • 臨床検査科
    • 救急科

    この中で内科系・外科系・小児科・酸化・救急を除くと,精神科,皮膚科,泌尿器科,婦人科,眼科,放射線科,病理診断科,臨床検査科あたりが残ることになる。泌尿器科とか婦人科あたりは広義の外科・内科に含まれそうなので,実質残るのは精神科,皮膚科,眼科,放射線科,病理診断科,臨床検査科。あと医師免許を持っている人の進路としては基礎研究に進んだり国家公務員になったり,ジャーナリストとか小説家になったり普通の企業に勤めたりということが考えられる。だけど,精神科,皮膚科,眼科,放射線科,病理診断科,臨床検査科の医師が急増したということは聞いたことないし,ましてや医業以外を行う人が増えてしまってってことも聞いたことはない。となると,減少している理由は減少しているそれぞれの科で勤めている先生たちが引退したと考えるのが自然な気がする。これだと,いくら今初期研修を修了して診療科を決めようとしている人たちに対して,例えば「あなた達のうち30%は内科医に,20%は外科医に,20%は小児科医に,10%は産科医に,5%は救急医に,のこり15%はその他のマイナー科に」って規制をかけても,ある時点でどこかの科に不足が生じるor不足している科は不足したままっていう状態が生じることになるんじゃないだろうか。そもそも過不足の定義は何なのか。絶対数が分からないし,必要数の定義もよく分からない。これじゃ需要×供給のバランスなんて分かったもんじゃない。無い袖は振れないのです。

    あ,あと,忘れてはいけないのが解剖医とか法医学者とか監察医とか。ここも不足している。これはまた臨床とは違う話だし制度なので,忘れてはいけないっていう程度で。

    【給与レベルに属する医師の偏在による不足】
    wikiでは「現在の医療保険制度では、診療報酬は医師の技量や経験と関係なく支払われる。従って、病院経営者としては給与の高いベテランの医師よりも給与の低い若い医師を雇用する方が経営上有利である。2004年に始まった新医師臨床研修制度により、医師は卒業時に地方大学を離れ、教育訓練環境の整った都会の病院を研修先として選ぶようになり、経験と技量を優れた環境で身につけることになった。これが新医師研修制度の本来の目的であったのだが、このことにより給与の安い医師が選択的に地方から減り、地方大学も若い医師を地元病院に貸し出すことができなくなり、地方病院の経営を圧迫するようになった」となっている。そのとおりだと思う。初期研修の給与も都心の人気病院なんかより地方の総合病院のヘタすると20-30万位(もしかしたらもっとそれ以上)違ったりしている。それでも都心の人気病院は希望者が殺到し,地方の総合病院では定員割れしたりする。人気病院が有名なのにはそれなりに理由があるわけで,教育内容だったり指導医数だったり病床数だったり症例数だったり外来患者数だったりが要因になってるんじゃないかな。自分自身も卒後どうしたいかと言われたら,知識が新しいうちに出来るだけ数多くの症例と多様な症例に触れたいと思うから,自然とある程度の規模を求める。あとは住環境。本当に研修医を惹きつけたいと思うなら,病院以外の要因だと住環境は重要。これは医療行政以外のところとバランスをとらないといけないから,地方自治体が総合的に力を入れる必要が出てくる。難しい問題。

    【外来患者数に対する医師不足】
    これはかなりでかいと思う。花粉症で抗ヒスタミン薬とLT遊離阻害薬を処方してもらうために内科を受診している身としては若干言い難いことではあるけれど(笑)国民皆保険制度でアクセシビリティが高いっていうのは日本の医療の良いところ。「日本の医師は年間平均8500人(アメリカでは年間平均2200人)の患者を診察している」らしい。アメリカの医師の4倍日本の臨床医は診ていることに。日本の良いところであるアクセシビリティは疾患を重症化させないっていうのに寄与していると思うので,その部分を残しつつ医師数対外来患者数のバランスが改善される方法はないだろうか。最近OTC医薬品が3分化されて承認薬が増えた。これはバランスにいい影響を与えてるんじゃないかなと思ってる。もう少しOTC医薬品にスイッチする薬品を増やしてもいいのかも。OTC医薬品を売るときに薬剤師さんがしっかりとスクリーニングできる(あなたは診察を受けた方がいい,あなたは薬で様子見,あなたはこの薬で大丈夫,あなたは以前にこの薬を処方されているからこの薬でいけますねーみたいなもの)っていうような力が強くなってくるともう少し改善されるのかな。薬剤師の養成とか業務についてそこまで詳しくないので強くは言えないけど。

    【業務量増大による医師不足】
    学校の先生もそうだけど,昔に比べると事務仕事が断然増えている。そして,権利関係(インフォームド・コンセントとか個人情報保護とか)の業務が増えたり,医療機器も進歩して様々な検査が増え,医師がしないといけないことは増えてる。事務作業に関しては医療秘書などの医師事務作業補助者の積極的導入が,権利関係に関しては他職種との協働が改善策か。人を増やさないといけないから,やっぱりお金がかかる。でも適切な分業は費用対効果を上げるだろうから,結果としてはかかったお費用分は回収されるのかもしれない。

    【集約化不足による医師不足】
    個人的には地方の医療(僻地医療はまた違う問題だろうけれど)では,特に重要な項目だと思ってる。wiki先生は医療圏と中核病院のことを取り上げているけれども,自分が思う集約化は科ごとの集約。例えば小児科で考えてみると,ある地域に小児科のある総合病院が3つあって,それぞれに2人ずつ常勤の小児科医がいるとすると,もしすべての病院に小児科の病床があったら6人の医師は2交代制をとることになるし,外来の休診日以外は休みが無くなる。でもこれを1つの病院に集約してしまって1病院6人の小児科医体制にすればシフトに余裕が生まれる。そうすると辞めにくくなるんじゃないかな。もちろん患者さんの絶対数が変わるわけではないので,これにはプライマリ・ケアの問題が絶対に関わってくるんだけれども。でもこれをするだけで医師が辞める確率はかなり下がる気がする…がしかし,既得の権益の問題もあるから,そうそう簡単じゃないんだろうな。

    こんな感じで,この「医師不足」には地域(給与)×診療科で遍在の問題,患者数×業務量で不足の問題がある(集約化不足はどちらにもなかなか分けにくい)。こう考えるとやっぱり絶対数の不足っていうのは否めない。歴史的に日本の医療政策は医師数を抑制する方向にはたらいてきていたのを2008年舛添さんが厚労相の時に転換したってことを考えると,2008年+6年=2014年,15年からその方向転換後の人たちが初期研修を受けることとなる。なので,その方向転換後の効果が現れ始めるのは2020年くらいからか。効果が出てから調査をしても比較するものがないから,なんとか現状を把握する全数調査をできないものかな。勤務時間とかもこの際全部調べてしまえばいい!

    あと,医学部の定員を増やすことが正しいかどうかは正直なところ分からない。医学部の定員を増やすってことはそれだけ教育に人材を割かないといけなくなるわけで,その分のしわ寄せが臨床に絶対来る。そこら辺のバランスをどうとるか。これを考えると新設よりは既存の大学の定員を増やすことがいい気がする。ただ,何度も言うけどハードは充実させないと確実に医師のレベルは落ちる。そして医学教育に関してももっともっと改善する余地はあると個人的には思ってる。教育学者はもっと医学教育に口出すべきだし,医学教育を行う人たちはその専門知識だけじゃなくて教育法にも目を向けるべきだと。そうするためにはそれだけの時間的・金銭的余裕が必要だけれど。

    つらつらとwikiを読み込む&資料を読むっていう作業をブログ上でしてみました。いろいろと考えたけど,対策とか解決策にはお金がかかる。もっとお金がかからない方法はないものかなぁ。


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    • 2016.08.08 Monday
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    • 22:41
    • -
    • 0

      コメント
      突然のコメント申し訳ございません。
      富山の編入を目指しているものですが、可能であれば質問にご回答いただけませんでしょうか?
      質問とは「編入学生の中に30代の方がいらっしゃるか」ということです。
      富山は書類選考で約100名まで絞られます。もし、今までの合格者で30代の方がいらっしゃらなければ、次に向けて頑張りたいなと思いまして。。。
      よろしくお願いいたします。
      • ちゃん
      • 2013/05/27 9:48 AM
      連投申し訳ございません。
      先ほどの質問は、二次試験を受けた際に30代と思われる方がいらっしゃったかということです。
      • ちゃん
      • 2013/05/27 11:11 AM
      >ちゃんさん
      コメントありがとうございます。
      ご質問の「二次試験を受けた際に30代と思われる方がいらっしゃったか」に関してですが,二次(筆記)にはそうだと思われる方がちらほらいらっしゃいました。三次(面接)には3人くらいいらっしゃったでしょうか。
      • yuuki
      • 2013/05/27 5:33 PM
      >yuukiさん
      早速のレスありがとうございます。
      少し安心いたしました。
      ちなみに、yuukiさんの上もしくは下の学年の編入学生で30代の方がいらっしゃるという情報はお持ちでしょうか?何度も申し訳ございません。
      • ちゃん
      • 2013/05/27 6:34 PM
      >ちゃんさん
      下の学年では数名いらっしゃいますよ。
      年齢はある程度マイナス要素にはなるとは思うのですが,それをカバーする何かがあれば大丈夫なのではないかと思います。
      • yuuki
      • 2013/06/08 10:53 AM
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